「本当に相手のことを考えている人って依存させないように自立させる方向に持っていくという共通点がある気がします」(鳥海さん)

対談風景 鳥海)そういえば、ちはるさんとの対談を読んでいて、使うほど肌が健康になって商品を使う量が減っていったら儲からないのでは?」という質問に、茂田さんが「そうですね(笑)」って、おっしゃていたことがすごく印象に残っています。私も仕事でいろんな方と出会ってきて、漢方の相談員さんであるとか、鍼灸師さんもそうなのですが、ちゃんと相手のことを考えている 人って"依存させないよう、自立させる方向に持っていく"っていう共通点があることに気づきました。茂田さんのスキンケアの考え方も「これも使わなきゃ、あれも使わなきゃダメですよ」って増やしていくんじゃなくて、最終的には自立させる方向に導いていくスタイルですよね。

茂田)そうですね。北里大学にいらっしゃった有名な形成外科の先生のお話でも、化粧品をたくさん使ってきて来院する女性ほど、肌の機能が壊れてキメがなくなってしまっていると。それで、いま使っている化粧品を全部やめてくださいっていう指導をされているんです。そういった話から、日本の化粧品文化ってそういう中で発展しきたんだなあ、と私がふと思ったのは、最近でこそスキンケアっていうけれどちょっと昔までは"基礎化粧品"って言いましたよね。

鳥海)そういえばそうですね。

茂田)化粧水だ、乳液だ、クリームだっていうのは、あくまで化粧の下地づくりだったんだと。ファンデーションやパウダーのノリを良くすることがメインの目的だったと思うんです。つまり、本来は肌を良くするためのものとは違ったのが、化粧品産業の中で成長してきて、今となっては肌を健康にする機能性がくっついてスキンケアという名前に変わった。でも、今だにスキンケア開発の現場では基礎化粧品のなごりが色濃くて、それがスキンケアなしにキレイな肌はありえないという依存症の悪循環を作ってしまっている。個人的には、その状況がイヤだなあ、と思ったんです。本当に自分達の商品でも、使わなくて済む肌の状態なら、使わなくて良いと思うんです。でも最低限は使わなきゃという方に、じゃあ使うんだったらこういうものが肌の機能にとっては良いと思いますよっていうスタンスでいたい。最近では、使い捨てとかいっぱい消費することに対して、ちょっと地球全体として良くないよねっていう意識がみんなどこかに働いていると思うので。「いっぱい使ってください」っていうマーケティングが成立する世の中でもないと思いますし、そういう意味では、お客さまの立場に立ったものをきちんと作って届けるっていうことに尽きるのかなと思います。

鳥海)それはすごく、私のようなズボラ人間にはありがたいですね(笑)。そもそもあれもやれ、これもやれって言われても覚えて習慣化していけないし、数をいっぱい置くのもイヤなので、できるだけ最低限で済ませたいんです。でも化粧品については雑誌で見たとか、店頭で見たとか分断した情報しかないので、その都度なんとなく使って終わってしまうというか。自分の中で何か一本筋道が通っていれば良いのですが、それがないとちょっと手を出して、飽きたから次はこれみたいになりがちで。「この商品を使っていた結果として、こういう肌です」と言いきれるほどは、じっくり付き合ったことがないかもしれないです。

茂田)多くの女性に「化粧品を使いはじめたのはなぜ?」って聞いても、ほとんど明確な理由がない。「なんとなく使わなきゃいけない年頃だと思った」というレベルからスタートしているんです。それは、必要でない人にも必要と感じさせてしまう美容情報が散乱しているからで、メーカーもついつい便乗してしまう。無理矢理使わせるのではなくて、本当に必要とする人に本当に良質なものを提供することが大切だと思うんです。ボランティアでやっているわけではないので、ビジネスにならなければ困るのですが、美容業として肌を真の健康な状態に導くという、社会貢献性みたいなもののなかでビジネスの循環を見いださなければいけないと思うんです。そして使う側の人の意識はもっと重要で、さっき出た美容の倫理観っていうのがやはり重要ポイントになると思います。自分っていうものを捉える時に、外側の自分だけでなく、内側の自分も見つめるかどうか、っていうところですね。魅力というのは見た目ではなくて、内側からにじむオーラ見たいなものだと思うし、外側ってことを意識しすぎちゃうと、そこで自分に必要ないものを使いはじめて、お金はかかるけど魅力は変わらないみたいな。

鳥海)何かを引くことって、とても勇気が入りますから。本当はいらないけれど、なんとなくプロに言われたから使っていると安心っていうだけのものも実はあるのかもしれないですね。

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