「歴史的、伝統的な側面と、科学的な側面、両面の知識をつねに深めておくことが必要だと思うんです」(若林さん)

若林さん 若林)たとえば「このハーブは利尿作用があるのでデトックスに良いです」というのはひとつの言い方で、そういった漠然とした説明のほうが適している状況の時もあります。ただ、場合によっては「体内のカリウムやナトリウムのバランスに働きかけることによって」といったところまでお伝えしたほうが、親切かつ理解も進みますよね。また、時代が進むと過去に確かだといわれていた科学的事実が違っていた、ということも出てきたりします。教える身としては、歴史的、伝統的な側面と、科学的な側面、両面の知識をつねに深めておくことが必要だと思うんです。私は、バランスを見ながらハーブの歴史的なストーリーを語ることもあれば、茂田さんのおっしゃるようにサイエンティフィックな説明も大事にレッスンをしていますね。

茂田)香りや味を楽しみながら、体のことをスルスルと学べてしまう若林さんのレッスンスタイルは、いろいろな背景やニーズを深く考慮されてかたちづくられていたんですね。先ほどのサプリメントの話題に少し戻りますが、最近はミネラルにしても、抗酸化にしてもすごくストレートに補給できるサプリメントがたくさん出ていますよね。今のお話からすると、そういったサプリメントなどに対して、いろいろなものが加味されているハーブの優位性というのを、若林さんはどんな風に捉えられているのでしょうか?

若林)サプリメントは「成分」そのもの、対してハーブは「生き物」という風に私は感じています。まずは一般的に"人間"をどう捉えるか、考えてみるとわかりやすいと思うんです。人間の身体の一部分だけを引っ張り出して「アミノ酸のかたまり」とする方はあまりいらっしゃらないと思います。アミノ酸単体として人間の体に及ぼす影響となると、非常に限られているのは明らかなので。ただそのアミノ酸がコラーゲンとなったり、活動エネルギー化する時に、いろいろな成分や栄養素や酵素の影響を受けて、相乗効果が起こり、ひとつの生を成してはじめて"人間"と捉えられると思うのです。良いサプリメントを日に20種も30種も摂っていたら違ってくるかもしれませんが、ハーブは生き物としてバランスが取れた状態で各種成分を含んでいるがゆえに、同じ生き物である人間の私たちの体にはとても吸収しやすい状態になっている。実は、ハーブはとても合理的に身体に必要なものを摂ることができるようになっているんです。サプリメントでの補給が合理的と思われている方は多いと思いますが、吸収量や総合的な相乗効果を考えるとバランス良く摂取するのはなかなか難しいと思います。ビタミンC、果糖、ポリフェノール、繊維をその人の身体に必要な量だけ個別にバランス良く摂ろうとするなら、リンゴを一個食べたほうがよほど合理的に体内で消化吸収されるはず。あらためて考えてみれば、そのほうが身体的にも精神的にもより効果が高いというのは明らかですよね。

茂田)ですよね。なにより、美味しいですから(笑)。

若林)そして生き物として捉えた時にベストなタイミングというのが、"旬"であったり、育った環境の影響、個体差も関係してきます。さらには生活の中でリンゴを愛でるという気持ち、剥く時に香りを楽しんだり、果汁の滴りで手が濡れるとか、五感の部分も重要ですよね。そこから「今日のリンゴは甘いね」「酸っぱいね」といった会話が生まれ、その時その時を味わう、ということも全部含めますと、単純に成分を摂るということよりもずっと効果が大きいんです。

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