第2回 水はけのいい体をつくる 梅雨の薬膳ごはん

梅雨の薬膳の考え方

日本では季節の変化を四季でとらえますが、薬膳のベースとなる中医学では、これに梅雨(中国では長夏と呼ぶ)という概念を加えて季節の変化を五季で考えます。雨が降り続き、湿度の高い梅雨は、気分もなんとなくどんよりするものですが、実は私たちの体のなかも、余分な水分が溜まってしまい、体が重だるくなりやすい時期なのです。中医学でいう梅雨の邪気は、「湿邪(しつじゃ)」と言い、体のだるさ以外にも、むくみ、下痢のほか、お肌の面では分泌物の出る皮膚炎などのトラブルも起こりやすくなります。また、梅雨の湿気は胃腸消化器系に負担をかけ、胃のもたれ、食欲不振などの症状も招きます。胃腸の機能を高める食材や、香りで湿気を飛ばす食材などを取り入れながら、水はけのいい体づくりを目指しましょう。

代表的な梅雨におすすめの食材
梅雨の湿気(湿邪)でダメージを受けやすい、胃腸の機能を補ってくれます。
* 米、長芋、じゃがいも、とうもろこし、キャベツ、いんげん、しいたけ、たら、いわし、すずき、かつお、さば、鶏肉、牛肉
体にたまった余分な水分を排出するのに役立ちます。
* はとむぎ、黒豆、小豆、空豆、冬瓜、金針菜、とうもろこしのひげ、はも、すずき
体を温めることで体内の水分代謝を高め、湿気を汗として発散させるので、梅雨冷えのときにおすすめです。
* ねぎ、しょうが、パクチー、三つ葉、みょうが、ししとう
香りのある食材は、体内の気の巡りをよくすることで、
湿邪を追い払うと言われています。
* うど、ジャスミン茶、陳皮
一言で梅雨といっても、むし熱くじめじめした日の場合
は、余分な熱をクールダウンさせながら、湿気を取り
去りましょう。
* 緑豆、豆腐、きゅうり、セロリ、そば
* 冷たいものや生もの、脂っこいものは、体に湿気を生む原因になるので避けましょう。
recipe 梅雨の薬膳ごはん
今回のレシピの使用食材
すずきと椎茸のねぎだれ丼
材料(2人分)
  • すずき(切り身) 二切れ
  • 椎茸(大) 2つ
  • ししとう 6つ
  • ごはん 適量
  • 糸唐辛子(あれば) 少々
  • 塩、粗挽き黒こしょう 少々
  • 片栗粉 大さじ1
  • オリーブオイル 少々
  •  
  • ねぎだれ)
  • ねぎ(みじん切り) 10cm長さ
  • しょうゆ 大さじ2と1/2
  • みりん 大さじ2
  • きび砂糖 小さじ1
  • 昆布かつお出汁 大さじ4
作り方
小鍋にねぎだれの材料を加え、かるく煮立てたら火をとめる。
ししとうはヘタをとって、爪楊枝などで穴を数カ所あける。しいたけは、石づきをとって半分に切る。
すずきは一口大に切り、かるく塩をしたものを10分程度おいて表面に浮いてきた水分をキッチンペーパーでふきとる。
フライパンにオリーブオイルをひいて熱し、ししとうと椎茸を加えて、塩こしょうをし焼き色がついたらバットに取り出す。
3の両面に片栗粉をまぶし、オリーブオイルを少し足したフライパンで両面こんがり焼き色をつけ、塩こしょうをふる。
器にごはんをよそい、4と5をのせ、ねぎだれを
かけたら糸唐辛子を飾る。
すずきは、強めの中火で両面しっかり
焼き色をつける。
じゃがいもとみょうがのお味噌汁
材料(2人分)
  • じゃがいも 1/2個
  • みょうが 1/2個
  • あおさ 少々
  • 昆布かつお出汁 2.5カップ
  • 味噌 大さじ1と1/2
  • 粉山椒 少々
作り方
じゃがいもは皮をむき、薄くスライスする。
みょうがは、薄切りにして水にさらし、ざるにあげておく。
鍋にだし汁を加え、じゃがいもを入れて加熱し、じゃがいもがやわらかくなったら、
味噌を溶き入れ、あおさを入れる。
3をお椀に盛り、みょうがをのせ粉山椒をふる。
あおさは火を止める直前に加えましょう。
鳥海明子さん
文章・レシピ製作 鳥海明子さん
国際薬膳師/調理師/フードコーディネーター。漢方相談薬局での薬膳レシピの考案や、助産院 で賄いとしてお母さんと赤ちゃんのためのごはんを作ってきた経験を活かし、現在は日々の暮らしのなかで実践できる養生の場として「鳥の巣」を主宰。著書に『ひとりごはんの薬膳レシピ』(誠文堂新光社)、『女性力を高める薬膳ごはん~心とからだを元気にする養生の知恵』(マイナビ)。
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