「30歳くらいの時、まず思ったのは面白い人間になろうということでした」(鳥海さん)

対談風景 鳥海)3月下旬に出る単行本の監修を中医師の邱紅梅先生に担当して頂いていまして。先生はもともと婦人科系がご専門なんですが、本のなかで対談をさせてもらった時に、いくつか以前、茂田さんとお話した内容と符合することがあって記憶に残っているんですけど。「日本人の女性は、お化粧も上手だし服装も素敵で見かけはキレイで若々しく見えるけど、体の中は老けている人が多い」と。まあ、外側にお金をかける人が多いということですよね。中国の人は、富裕層のセレブの方はいろいろお手入れをしていて確かに外側もきれいだけど、一般的には労働者の人も多くて日焼けもすごくてシワなどもある。そんな感じで見た目では差が激しいものの、養生の考えをもとに食べているので、体の中はというと意外とあまり差がなく、同じくらい元気なんだそうです。

茂田)私が思うに、キレイっていう哲学、価値観っていますごく二極化しているんじゃないかなと。外見の華やかさを重視するキレイと、自分らしさみたいなことを重んじるキレイと。後者の内側のキレイを求める人も増えているけれど、前者の外側のキレイに執着する人もまだたくさんいて。結局何のためにキレイでありたいか、っていう目的がすごく不明確な気がします。単純な動機としては、異性のためにキレイでいる、というのもそれはそれで良いと思うんです。

鳥海)うんうん、良いと思います。

茂田)ただ、それならば本当に人から見てキレイと思われるキレイを目指さないと、意味がないんじゃないかと。そう考えた時、表面のキレイだけを追っている傾向には共感できないところがあるんです。

鳥海)先日テレビを見ながら夫と話していたんですけど、「実はこの人は何歳です!」「えー驚きっ」みたいなくだりってよくありますよね。でも夫は、驚いたその先に「素敵」はなくて「こんなに外側の美容にばかりお金をかけていて、この人は大丈夫かなあ」っていうのが率直な感想なんだそうです。それで、あれはもしかして異性にどう思われたいっていうより女性同士でどう?っていう話なのかなって。

茂田)私は異性に見られるにあたってキレイでいたい、は健全だと思うんです。

鳥海)それは生き物として本能的という気がしますね。

茂田)それがいつのまにか、同性同士の競いあいにすり替わって妙なスパイラルにはまってしまっているのではないかと。私のほうが若く見える、って私のほうがお金を持ってる、っていうのと大差がないように感じちゃうんです。

鳥海)違う方向の競争がはじまっていく、みたいなね。

茂田)男性同士とかで話していると、年相応に見えるキレイな人をキレイと感じるっていうところで一致することがほとんどですね。年齢より若いことに価値を置いて、それをキレイっていうかというとそうではなく、鳥海さんの旦那さんと同じで「わっ」ていう驚きのみです。

鳥海)キレイというところからちょっとそれるかもしれないですけれど、薬膳の基本となる中医学では女性としての体のピークは28歳で、35歳くらいからは下り坂と言われていて、養生でその坂道をゆるやかにすることは出来るにしても、当然のことながら下ること自体は止められないわけです。そうした時に、"キレイさ"っていうものは価値観なり見方なりさまざまだと思うのですが、どうしたって若い時のキレイさは減っていくわけで。なので、私は30歳くらいになった時、まず思ったのは「面白い人間になろう!」ということでしたね(笑)。あまり外見的なキレイさにすがってしまうと、しんどくなるだろうから、中身が面白い人間になっていきたいなって。

nesno商品一覧
・日東電化工業株式会社は、電子商取引において適切な取引を行う事業者に認定される公益社団法人日本通信販売協会のオンラインマークを取得しています。
・お客様がお使いのブラウザとウェブサーバ間の暗号化通信を証明するノートン™セキュアドシールを取得しています。