お肌の仕組み~ターンオーバー、肌荒れ、肌トラブルについて

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お肌のあれこれ

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よく「肌荒れ」や「肌トラブル」と言いますが、この「肌」とはいったいどの部分を指すのでしょうか? 実はこの「肌」とは、皮膚の最も表面にある「角質層」のこと。厚さわずか0.02ミリという非常に薄い膜で、 「表皮細胞」としての一生を終えた「角質細胞」によって構成されています。

「肌には、絶えず新陳代謝を繰り返して健やかな状態を保とうとする「ターンオーバー」という機能があります。 表皮の下の部分にある「基底層」で表皮細胞として誕生した肌が、全ての役目を終えて「垢」として剥がれ落ちるまでのサイクルです。

「表皮細胞は、変化を続けながら表皮の上へと上がっていき、皮膚の一番上にある「角質層」に到達すると、 いわば細胞の死骸となり、多くの水分を蓄える"スポンジ"のような役割を持つ物質「天然保湿因子(NMF)」を含んだ「角質細胞」へと変わります。
肌の断面図
肌のターンオーバー
また、「表皮細胞」は一生を終える前に「ラメラ顆粒」という、セラミド・コレステロール・脂肪酸を含んだ油分を細胞の外へ放出します。 この油分は角質細胞の間を隙間なくびっちりと埋めることから、「細胞間脂質」と呼ばれ、角質細胞内の水分を閉じこめる働きをします。 約20層に積み重なった角質細胞と、その隙間を埋める「細胞間脂質(ラメラ顆粒)によって、肌を保護する「バリア機能」を形成。

このバリア機能が、外から肌に異物が入るのを防ぐとともに、肌の水分が逃げないようにする働きをしています。 つまり『肌の保湿』は、「天然保湿因子」と「細胞間脂質」がきちんと満たされたときにはじめてできるものであり、 どちらか一方だけではうるおいの効果を持続させることはできないのです。

角質細胞は、その後、垢となって剥がれ落ちます。ターンオーバーは約28日周期で行われますが、年齢を重ねるなどしてそのサイクルが遅くなると、 垢として落ちるはずの角質細胞が正常に剥がれず、肌に蓄積して厚くなってしまいます。角質層が厚くなると、角質細胞が灰色であるために肌がくすんで見えたり、 肌が硬くなって小じわができやすくなるなど、肌トラブルの原因になると言われています。また、洗顔のやりすぎなど、過剰に肌をこすって皮膚に炎症が起こってしまうと、 いち早く肌を再生しようと、逆にサイクルが早まってしまいます。
ラメラ顆粒・バリア機能
ターンオーバーが早まると、成長過程の未熟な細胞が肌表面に出てしまうので、皮膚がめくれて乾燥するなどのダメージにつながるのです。 健やかな肌を保つため、ターンオーバーを正常に保ち続けるには「細胞間脂質」をしっかりと満たし「天然保湿因子」を逃さない保湿ケアを心がけましょう。 肌内部の保湿に関わる成分は年齢とともにどんどん減少していくので、日々のスキンケアできちんと補うことが大切です。
正常なバリア機能が保たれている肌
ひとくちに「保湿成分」といっても、化粧品で使用されている成分には主に2種類あります。 ひとつは、ヒアルロン酸やアミノ酸、尿素、水溶性コラーゲン、グリセリンなどの『ヒューメクタント』と呼ばれる成分。 これらは角質細胞の「天然保湿因子」にあたるもので、水分を抱え込む力に優れています。もうひとつは『エモリエント』と呼ばれる成分。 ワセリン、椿油、スクワラン、セラミド、リポソームなど、角質細胞において「細胞間脂質」の役割を果たす油分になります。 ヒアルロン酸は女性の間で保湿の代表選手のように言われていますが、ヒアルロン酸は『ヒューメクタント』にあたる成分なので、 キープした水分を守ってくれる『エモリエント』が不足したままだと、どれだけ補っても水分が逃げてしまうため、いつまでたっても乾燥はケアできません。 ですので、ヒアルロン酸やグリセリンなど「天然保湿因子」にあたる『ヒューメクタント』で水分を与えてから、セラミドなど『エモリエント』系の油分で水分をガードする…、 この2段階のお手入れを行うことが『正しい保湿』になるのです。